太陽は銀河系の中では主系列星の一つで、スペクトル型はG2V(金色)である。
2では平均余命は2~4年短く[36]、、高度肥満(BMI≧40 kg/m2)では平均余命は10年短くなる[36]。
疾患
[編集]肥満は多くの身体疾患および精神疾患のリスクを増加させる。これらの合併症は、2型糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症を含む疾患の組み合わせであるメタボリックシンドローム[2]、で最もよく見られる[50]。CDCは、肥満が重症COVID-19の単一の最も強い危険因子であることを発見した.[51]。
疾患は、肥満によって直接引き起こされるか、あるいは質の悪い食事や座りがちなライフスタイルなど共通の原因を共有するメカニズムを通じて間接的な関連がある。肥満と特定の疾患との関連性の強さは様々である。最も強いものの1つが2型糖尿病との関連である。男性では糖尿病の64%、女性では77%が体脂肪過多である[52]。
健康への影響は、脂肪量の増加の影響に起因するもの(変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、社会的スティグマなど)と、脂肪細胞の増加によるもの(糖尿病、がん、心血管疾患、非アルコール性脂肪肝疾患)の2つに大別される[2][53]。体脂肪の増加は、インスリンに対する体の反応を変化させ、潜在的にインスリン抵抗性につながる。脂肪の増加はまた、炎症[54][55]や血栓が生じやすい状態を引き起こす[53][56]。
体重が1kg増加するごとに、膝関節への負荷は3kgほど増加するとされる[57]。肥満は変形性膝関節症や変形性股関節症といった関節症のリスクも助長する。体重が10kg増えるごとに、変形性膝関節症のリスクは36%上昇する[58]。
| 専門分野 | 疾患 | 専門分野 | 疾患 |
|---|---|---|---|
| 循環器学 | 皮膚科 | ||
| 内分泌科・生殖医学 | 消化器科 | ||
| 神経科学 | 腫瘍学[73] | ||
| 精神科 | 呼吸器学 | ||
| リウマチ科・整形外科 | 泌尿器科・腎臓学 |
代謝的に健康な肥満
[編集]最近の研究では、医師が比較的健康的な肥満の人々を特定する方法に焦点が当てられ、肥満の人々を単一のグループとして扱わないようになっている[84]。肥満による医学的な合併症を持たない肥満の人々は、代謝的に健康な肥満と呼ばれることもあるが、このグループがどの程度存在するのか(特に高齢者において)については議論の余地がある[85]。代謝的に健康であるとみなされる人の数は、使用される定義によって異なり、普遍的に受け入れられている定義はない[86]代謝異常が比較的少ない肥満者は数多くおり、肥満者のうちごく一部は医学的な合併症を抱えていない[86]。米国臨床内分泌学会のガイドラインでは、医師が2型糖尿病を発症するリスクを評価する方法を検討する際には、肥満患者に対してリスク層別化を行うよう求めている[87]。
HOP基準
[編集]2014年、BioSHaRE–EU Healthy Obese Project(健康的な肥満プロジェクト)は、健康的な肥満の定義として、以下のような、より厳格なものとそうでないものの2つを提示した[85][88]。
| 厳格でない | 厳格 | |
|---|---|---|
| 血圧は服薬のない状況で以下の通り | ||
| 収縮期 (mmHg) | ≤ 140 | ≤ 130 |
| 拡張期 (mmHg) | ≤ 90 | ≤ 85 |
| 血糖は服薬のない状況で以下の通り | ||
| 血糖 (mmol/L) | ≤ 7.0 | ≤ 6.1 |
| トリアシルグリセロールは服薬のない状況で以下の通り | ||
| 空腹時 (mmol/L) | ≤ 1.7 | |
| 非空腹時 (mmol/L) | ≤ 2.1 | |
| 高比重リポタンパク質 は服薬のない状況で以下の通り | ||
| 男性 (mmol/L) | > 1.03 | |
| 女性 (mmol/L) | > 1.3 | |
| いかなる心血管疾患とも診断されていない | ||
これらの基準を策定するために、BioSHaREは年齢と喫煙歴を統制し、両者が肥満に関連するメタボリックシンドロームにどのような影響を与えるかを調査したが、そのような影響は、代謝的に健康な肥満者では見出されなかった[89]。代謝的に健康な肥満の定義には、BMI(特定の個人では信頼性に欠ける)ではなくウエスト周囲長に基づくものなど、他にも存在する[86]。肥満者の健康状態を識別する別の基準として、ふくらはぎの筋力が挙げられる。これは肥満者の身体能力と正の相関がある[90]。一般的に、体組成は代謝的に健康な肥満の存在を説明するのに役立つと仮定されている。代謝的に健康な肥満者は、メタボリックシンドロームの肥満者とほぼ同等の総脂肪量にもかかわらず、異所性脂肪(脂肪組織以外の組織に蓄積された脂肪)が少ないことが多い[91]。
肥満症
[編集]日本肥満学会は、体重が重い状態を肥満(obesity)、医学的に減量を必要とする状態を肥満症(obesity disease)と区別することを提唱している[92]。肥満症の診断基準は、BMI ≧ 25であり、以下の1と2のいずれかを満たすものである[92]。
- 肥満に起因ないし関連し、減量を要する健康障害を有する。
- 健康障害を伴いやすい高リスク肥満(ウエスト周囲長によるスクリーニングで内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CTで確定診断された内臓脂肪型肥満)
肥満のパラドックス
[編集]一般人口における肥満の健康への悪影響は、入手可能な研究結果のエビデンスによって十分に裏付けられているが、特定のサブグループでは、BM)の上昇に伴って健康状態が改善される傾向がある。この現象は肥満の生存パラドックスとして知られている[93]。このパラドックスは、1999年に血液透析を受けている過体重および肥満の人々について初めて報告され[93]、その後、心不全および末梢動脈疾患(PAD)の人々でも見られるようになった[94]。
心不全患者では、BMIが30.0から34.9の患者の死亡率は、正常体重の患者よりも低かった。これは、病状が進行するにつれて体重が減少することが多いという事実によるものと考えられている[95]。他のタイプの心疾患でも同様の結果が報告されている。肥満度クラスIの肥満と心臓病を患う患者は、心臓病を患う正常体重の患者よりも心臓病の悪化率が高いわけではない。しかし、より高度の肥満の人では、さらなる心血管系イベントのリスクが高まる[96][97]。冠動脈バイパス手術後ですら、過体重および肥満の人では死亡率の増加は見られない[98]。ある研究では、生存率の改善は、肥満の人々により積極的な治療が投与されるため、心臓発作後の生存率が改善されるためと説明できることが分かった[99]。別の研究では、PAD患者における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を考慮に入れると、肥満の利点はもはや存在しないとされる[94]。
原因
[編集]肥満の「a calorie is a calorie(訳: カロリーはカロリー)」モデルは、肥満のほとんどのケースの原因として、過剰な食物エネルギー摂取と身体活動の欠如の組み合わせを仮定している.[100]。遺伝、医学的理由、または精神疾患を主たる原因とするものは限られている[11]。対照的に、社会での肥満率の増加は、簡単にアクセス可能な口当たりの良い食事[101]、自動車依存社会、および製造業の機械化によるものだと感じられている[102][103]。
睡眠不足、内分泌攪乱物質、特定の薬(非定型抗精神病薬など)の使用の増加[104]、環境温度の上昇、喫煙率の低下、人口動態の変化、初産年齢の上昇、環境からのエピジェネティックな調節不全の変化、同類交配による表現型分散の増加、diet食事への社会的圧力など、世界中の肥満率の上昇の原因として他のいくつかの要因が提案されている[105]。研究によっては、このような要因が、過剰な食物エネルギー摂取や身体活動の欠如と同じくらい大きな役割を果たす可能性があるとされる[106]。しかし、決定的な声明が出される前に、人間に対するランダム化比較試験が一般的に必要であるため、肥満で提案されている原因の影響の相対的な大きさは多様で不確実である[107]。
米国内分泌学会によると、「肥満は単に過剰な体重の受動的な蓄積から生じるのではなく、energy homeostasisシステムの障害であることを示唆するエビデンスが増えている」[108]。
食事
[編集]エネルギー摂取量の過多は体重増加をきたす[109]。糖質摂取割合が大きいことは肥満と関連し、タンパク質摂取割合が小さいこともまた肥満と関連する[109]。早食いはエネルギー摂取量とは独立して肥満と関連する[109]。

口当たりがよく高カロリーな食品(特に脂肪、砂糖、特定の動物性タンパク質)に対する過剰な食欲が、世界的な肥満の主な要因であると考えられている。その理由は、おそらく摂食衝動に影響を与える神経伝達物質の不均衡によるものと思われる[111]。一人当たりの食事エネルギー供給量は、地域や国によって著しく異なる。また、時代とともに著しく変化している[110]。1970年代初頭から1990年代後半にかけて、1人当たりの1日あたりの平均的な食品エネルギー供給量(購入した食品の量)は、東ヨーロッパを除く世界のあらゆる地域で増加した。1996年には、米国が1人当たり3,654キロカロリー(15,290キロジュール)で最も高いカロリーを記録した[110]。2003年にはさらに増加し、3,754キロカロリー(15,710キロジュール)となった[110]。1990年代後半には、ヨーロッパでは1人当たり3,394キロカロリー、アジアの発展途上地域では1人当たり2,648キロカロリー(11,080キロジュール)であり、サハラ以南のアフリカでは1人当たり2,176キロカロリー(9,100キロジュール)であった[110][112]。総食物エネルギー消費量は肥満と関連していることが分かっている[113]。

食事ガイドラインが広く入手可能になった[114] にもかかわらず、過食や不適切な食生活の問題はほとんど改善されていない[115]。1971年から2000年にかけて、米国の肥満率は14.5%から30.9%に増加した[116]。同じ期間に、消費される食物エネルギーの平均量も増加した。女性の場合、1日当たりの平均増加量は335キロカロリー(1,400キロジュール)(1971年の1,542キロカロリー(6,450キロジュール)から2004年には1,877キロカロリー(7,850キロジュール)に)であり、 一方、男性の平均増加量は1日あたり168キロカロリー(700キロジュール)(1971年の2,450キロカロリー(10,300キロジュール)から2004年は2,618キロカロリー(10,950キロジュール)へ)であった。この余分な食物エネルギーのほとんどは、脂肪の消費よりも炭水化物の消費の増加によるものである[117]。これらの余分な炭水化物の主な供給源は甘味飲料であり、ポテトチップスと共に[118]現在ではアメリカの若年成人の1日の食物エネルギーのほぼ25パーセントを占めている[119]。清涼飲料水、フルーツジュース、アイスティーなどの甘味飲料の消費は、肥満率の上昇[120][121]、メタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスク増加に寄与していると考えられている[122]。ビタミンD欠乏症は、肥満に関連する疾患と関係している[123]。
社会がカロリーが高く、大盛りのファストフードにますます依存するようになっているため、ファストフードの消費と肥満の関連性がより懸念されるようになっている[124]。米国では、1977年から1995年の間に、ファストフードの消費量は3倍に、これらの食事からの食品エネルギー摂取量は4倍に増加した[125]。
米国と欧州における農業政策と技術により、食品価格は低下した。米国では、農業法案によるトウモロコシ、大豆、小麦、米への助成金により、加工食品の主な原料が果物や野菜と比較して安価になった[126]。カロリー計算法や栄養成分表示により、食品エネルギーの消費量に対する認識を含め、人々がより健康的な食品を選択するよう導くことが試みられている[127][128][129]。
肥満の人は、標準体重の人と比較して、常に食事の摂取量を過少に報告している[130]。これは、熱量計室で実施された人々のテストと直接観察の両方によって裏付けられている[131]
座りがちなライフスタイル
[編集]座りがちなライフスタイルは、肥満に大きな影響を及ぼしている可能性がある[132]。世界保健機関(WHO)は肥満の原因として、不健康な食生活に加え、身体運動の欠如 ("physical inactivity")を挙げる[133]。世界的に肉体的に負担の少ない仕事へのシフトが大きく進んでいるが[134][135][136]、世界の人口の少なくとも30%が運動不足である[135]。これは主に、機械化された交通手段が多く使われるようになり、家庭内での省力化技術が普及していることによるものである[134][135][136]。子供の場合、身体活動レベルが低下しているようである(特に歩行量と身体活動の教育の減少が顕著である)[137]。その原因として、安全上の懸念、社会的な交流の変化(近所の子供たちとの関係が希薄になるなど)、都市設計の不備(安全な身体活動のための公共スペースが極端に少ないなど)が考えられる[137]。余暇の身体活動に関する世界的傾向は、あまり分かっていない。世界保健機関(WHO)は、世界中で人々がより活動性の低い娯楽を好むようになってきていると指摘しているが、フィンランドの研究では増加傾向が示され[138]、米国の研究では余暇の身体活動に大きな変化はないことが示されている[139]。子どもの身体活動は、有意な要因ではない可能性がある[140]。
子供と大人の両方において、テレビ視聴時間と肥満のリスクとの間に関連がある[141][142][143]。メディアへの接触が増えると小児肥満の割合が増え、テレビ視聴時間と小児肥満の割合は比例関係にある[144]。
喫煙
[編集]喫煙は個人の体重に有意な影響を与える。禁煙した人は10年間で、男性で平均4.4kgの、女性では平均5.0キログラムの体重増加が見られる[145]。しかし、喫煙率の変化は肥満率全体にはほとんど影響を与えていない[146]。喫煙と禁煙:重度喫煙者は肥満度が大きい傾向にある。これまでの喫煙の本数と期間が大きいと禁煙後の体重増加が大きい[147]。
遺伝
[編集]
他の多くの疾患と同様に、肥満は遺伝的要因と環境的要因の相互作用の結果である[149]。食欲と代謝を制御する様々な遺伝子における多型は、十分な量の食物エネルギーが存在する場合に肥満の素因になりやすい。2006年現在、好ましい環境が存在する場合、ヒトゲノム上の41以上の部位が肥満の発症に関連していることが分かっている[150]。FTO遺伝子(脂肪量および肥満に関連する遺伝子)のコピーを2つ持つ人は、 リスク対立遺伝子を持たない人々と比較して、平均で3~4kg体重が多く、肥満リスクが1.67倍高いことが分かっている[151]。遺伝率によるBMIの違いは、調査対象の集団によって6%~85%と差がある[152]。肥満は、プラダー・ウィリー症候群、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群などのいくつかの症候群における主な特徴である。(「非症候性肥満」という用語は、これらの状態を除外するために用いられることもある)[153]。早期発症の重度肥満(10歳以前の発症と、標準偏差3倍以上の正常BMIからの逸脱によって定義される)を持つ人々では、7%がDNAの点突然変異を有している[154]。
特定の遺伝子ではなく遺伝パターンに焦点を当てた研究では、両親が肥満である場合、その子供たちの80%が肥満であることが判明している。これに対し、両親が標準体重の場合、その子供たちが肥満である割合は10%未満である[155]。同じ環境にさらされても、その人の遺伝的素因によって肥満のリスクは異なる[156]。倹約遺伝子仮説は、人類の進化の過程で食糧が不足していたため、人々は肥満になりやすいと仮定している[157]。食物が豊富に手に入る時期に脂肪としてエネルギーを蓄えることで、食物の入手が不安定な時期に有利になる[157]。また、脂肪の蓄えが多い個体は飢饉を生き延びる可能性が高くなる[157]。しかし、脂肪を蓄えるこの傾向は、食糧供給が安定している社会では不適応となる[157]。しかし、この理論はさまざまな批判をうけており、遺伝的浮動仮説[158]や倹約表現型仮説[159]など、進化論に基づく他の理論も提案されている。
他の疾患の影響
[編集]特定の心身の疾患や、その治療に用いられる医薬品は、肥満のリスクを高める可能性がある。肥満のリスクを高める内科的疾患には、いくつかの稀な遺伝疾患(上記に列挙)や、先天性または後天性の、甲状腺機能低下症、クッシング症候群、成長ホルモン欠乏症[160]、むちゃ食い障害や夜食摂食症候群などの摂食障害がある[2]。しかし、肥満は精神疾患とは見なされていないため、 DSM-IVRでは精神疾患としてリストアップされていない[161]。精神疾患患者は、精神疾患のない患者よりも、肥満および過体重のリスクが高い[162]。肥満と抑うつは相互に影響し合い、肥満はうつ病のリスクを高め、またうつ病は肥満を発症する可能性を高める[3]。
薬剤誘発性肥満
[編集]特定の薬は体重増加や体組成の変化を引き起こすことがある。これには非定型抗精神病薬、抗うつ薬、ステロイド、特定の抗けいれん薬(フェニトインおよびバルプロ酸)、および一部の経口避妊薬が含まれる[2]。糖尿病治療薬である、スルホニル尿素薬、インスリン、チアゾリジン関連薬にも体重増加作用がある[163]が、著明な高血糖に対するインスリン投与は肥満症を理由にためらってはならない[163]。
経済的要因
[編集]
肥満を理解する上で遺伝的影響は重
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