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“絶対に負けたくない” 女子やり投げ・北口榛花の原点

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パリオリンピックでメダルへの期待が高まる、女子やり投げの北口榛花(きたぐち・はるか)選手。
去年、世界選手権を制し、文字通りの世界一となった北口選手ですが、その原点はどこにあるのでしょうか。
ふだんは笑顔を絶やさない北口選手。
故郷の北海道・旭川を巡り、関係者に取材すると、“負けず嫌い”で、いちずな性格が見えてきました。
(「クローズアップ現代」取材班)

【関連番組】NHKプラスで7/31(水) 夜7:57 まで見逃し配信👇

陸上 女子やり投げ 北口榛花選手

負けず嫌いな少女時代

私たちが取材に訪れたのは、北口選手が高校1年生まで通っていたスイミングスクールです。
当時、指導にあたっていた佐藤淳(さとう・きよし)さんが話を聞かせてくれました。

佐藤さんが指導を始めたころ、北口選手は小学3年生。
体は大きかったものの、決して目立った選手ではなかったと明かしてくれました。

水泳を指導・佐藤淳さん

中ぐらい。普通の選手でしたね。選手コースの中でも何か抜けているとか、すごい飛び抜けて速いとかじゃなくて、一緒に頑張っている子たちと同じぐらいの速さっていうイメージですね。やっぱり筋力がないっていうのが一番で、それも特にキックが弱くて。みんなと練習していても全然ついていけなくて。いつも最後とか2周抜かれるとか3周抜かれるとかでした。

スイミングスクールに通っていたころの北口選手

北口選手は水に飛び込む際、怖くて目をつむっていたこともあったと言います。
私たちが知るあの笑顔はなく、当時、練習では泣いてばかりだったと語ってくれました。

水泳を指導・佐藤淳さん

本当にただただ泣いていましたね。特に練習中とか試合の最中とかは(今の笑っているイメージとは)全然違いますよね。もちろん笑うことはありました。それは練習が終わった後とか、みんなでわぁわぁ何かやっているときは笑っていましたけど、それ以外のときは、もうほぼ練習中は泣いているか難しい顔をして泳いでいました。

その一方で佐藤さんが目の当たりにしていたのは、かたくななまでに負けず嫌いな北口選手の姿でした。

水泳を指導・佐藤淳さん

本当に練習を休まなかったです。風邪をひこうが何があろうが休まなかったですね。朝6時半からの練習もありましたけど、休むことは一度もなかったですから。すごく頑張っていたと思います。泳ぎ始めると絶対に負けないっていうところを前面に出してくる子でもありました。結果的には、そんなについていけないんですけれど、それでも本人はすごく頑張っていた。2周抜かれたりとか3周抜かれたりすると、普通の子は途中で終わっちゃうんですよ。ほかの子が終わっていたら自分も終わりだっていう顔をして、みんなと一緒に終わっている。ただ、北口は絶対に残りの分をやろうとするんです。ずっといつも涙を流して、ゴーグルの中に涙をためながら泳いでいました。

やり投げとの運命の出会い

水泳では目立った成績を残すことのなかった北口選手が、やり投げに出会ったのは高校生のころです。
北口選手の通った旭川東高校の当時の陸上部顧問・松橋昌巳さんが、北口選手のことを知り合いから聞き、声をかけたのがきっかけでした。

松橋さんは、水泳一本で頑張りたいという北口選手に対し、陸上なら全国の上位を目指せると考えていました。
体格に恵まれていただけでなく、水泳に加えてバドミントンもやっていた北口選手に大きな可能性を感じたと言います。

高校時代の陸上部顧問・松橋昌巳さん

やっぱり体の大きさっていうのが1つ大きな魅力です。あとはバドミントンっていうのは、やり投げの腕の振りなんかには非常に近いものがあります。水泳は肩関節の柔らかさ、バタフライなんかはいわゆる むち運動なので、そういう動きはきっとやり投げにはプラスになるだろうなっていうことは感じていました。

こうしてやり投げを始めた北口選手。
周囲を驚かせたのは圧倒的な“肩の強さ”でした。
当時の様子を取材したNHKの映像にも、体育館の端から端までハンドボールを軽々と投げる北口選手の姿が残されています。

やり投げを始めてわずか1年。
高校2年の夏に出場したインターハイで全国を制覇。
ほとんど助走もせずに52メートル16センチを投げ、高校日本一の座をつかんだのです。

高校時代の陸上部顧問・松橋昌巳さん

正直言って、長い助走をしなくても十分投げる力はあったんです。ただ普通はある程度長い助走をするし、そういう練習もしていたので、インターハイではある意味ね、なんか1人だけ短い助走はちょっとかっこ悪いじゃんみたいな。そんな部分もあったりして、普通の選手と同じような長さの助走でインターハイに臨んでいました。(4投目が終わった後)北口が私のいるコーチングエリアに来て、北口のほうから「先生、短い助走で投げていいですか?」って提案がありました。多分自信があったんだと思うんですね。私も練習の投げを見ているから、いいんじゃないって。きっといけるよっていうふうなやり取りをして、5投目に入ったと思うんですよね。5投目がその短い助走の投げで、これが実際に逆転して優勝した投げなんですよね。

高校日本一に輝いた北口選手ですが、その目線は松橋さんの想像をはるかに超える、さらなる高みへと向けられていました。
翌年、北口選手は世界ユースの大会でも優勝。
その約2週間後に行われた高校3年生のインターハイの様子を、松橋さんは今も忘れられずにいます。

高校時代の陸上部顧問・松橋昌巳さん

高校3年生のインターハイは、世界ユース大会で優勝して世界チャンピオンになってから、わずか2週間後くらいという短い期間で行われました。世界ユース大会の開催地はコロンビアだったので、地球の裏側まで行って戦ってきて帰ってきて、何日もなくてインターハイ。そういうかなり強行スケジュールだったんですよね。ですから正直言ってコンディションを整えるのが難しいと思いましたし、しかもインターハイのライバルは直前で日本高校記録の58メートル台を投げていましたから。私としては、これはもしかしたら負けるのかなという思いで試合に臨んだのは記憶しています。


結果は勝ったんですけれども、その勝った後、戻ってくる途中で北口が泣いていたんですよね。それまで高校時代に勝って泣いた姿を見たことがなくて。だから、苦しい状況で日本高校記録を出したライバルと戦うということとか、自分は世界チャンピオンだということとかで、すごいプレッシャーだったと思うんですよね。そういう状況で勝った、その喜びの涙だと思って声をかけたんですよ。「頑張ったぞ」 「よくやったよ」って。そうしたら「大会記録を出せませんでした」って泣いていたんですよね。そのとき、この子はどこまで貪欲なんだろうと思って。本人は勝って当たり前。大会記録を出して勝ちたい、そこが目標だったんですよね。


こっちは、いやもしかしたら負けるかもしれないと思っていたので、大喜びじゃないすか。でも、北口は勝っても悔しさが残っているっていう。どこまで向上心があるのか、どこまでのレベルを目指してるのか。正直言って、私なんかのレベルのはるかかなたを行ってる選手だなってことは感じました。

松橋さんは高校時代の3年間、走り方など陸上の基礎を北口選手に教える一方で、その才能をどう伸ばしていくかに注力してきたと語ってくれました。

高校時代の陸上部顧問・松橋昌巳さん

私の競技人生の中で、あれだけの素材に出会うことは当然初めてだし、それをやっぱり大きく育てようと思ったら、けがをさせちゃだめ、(厳しく指導しすぎて)陸上に対してやる気を失わせるようなことをしちゃだめということくらいで、あとはしっかり土台を鍛えるとか、それを考えていたぐらいです。やっぱり光輝いているダイヤモンドをそのまま光輝かせてやるという、そのぐらいのことですよね。

Q. パリオリンピックに教え子が出場するにあたって、今どんな思いがありますか?

高校時代の陸上部顧問・松橋昌巳さん

思いっていうかね、もう私の教え子ではないんですよ。私は皆さんと同じ、もう1人のファンというだけですから。だから皆さんが思うのと同じ気持ちです。頑張ってほしい。メダルを取ってほしい。できれば金を取ってほしい。もうそれだけですよね。

【パリオリンピック 陸上・女子やり投げ】
決勝 8月11日(日)日本時間の午前2時40分~
決勝の模様はNHK総合で生中継します

【関連番組】NHKプラスで7/31(水) 夜7:57 まで見逃し配信👇

みんなのコメント(8件)

感想
やまめ
50代 男性
2024年7月26日
彼女の母校「旭川東高等学校」は、毎年のように東大合格者を輩出する地域NO1の進学校ということは、あまり語られない。まさに驚異的な文武両道。北口榛花はとんでもない才女です。
感想
りっこ
50代 女性
2024年7月24日
「やるからには上を目指す」と言う志と、それを実際に行動に移す行動力と日々の努力に頭が下がります。オリンピック思い切り楽しんで下さい。応援しています。
感想
クラーク
60代 男性
2024年7月24日
北口選手は北海道出身、バドミントンをやっていたという事で注目しています。
北口選手の飾りっ気のない笑顔が多くのファンを魅了していると思います。
恩師の言葉にあるように、負けず嫌いをパリで発揮してください。
心から応援しています。
ジュニアバドミントンチームの指導者として又同じ北海道出身として期待しかありません。
最高の状態で本番に臨んでください。
感想
けんちゃん
60代 男性
2024年7月24日
TVをみてプラスも見ました。お母さんの気持ちを受けつつも自分の生き方を貫いてきた北口さんに感銘しました。自分に納得したプレイができ最高の笑顔をみたいです。
感想
にこたん
50代 男性
2024年7月24日
水泳は以前のめり込んだ経験から、周回遅れの時の心境は痛い程良く解ります。
記事の通り本当なら周回遅れになれば、諦めて止めてしまいますが、彼女は泣いてまで最後までやり続けた事に感銘を受けました。やり投げに移行されても、助走無しでも遠投出来る才能をお持ちでも、トップレベルに出るまでは色々試行錯誤されたと思います。パリでも頑張ってメダルを勝ち取って来て下さい。やっぱり何事も諦めない精神は大切な事を再認識致しました。
感想
おっとー
60代 男性
2024年7月24日
旭川東高の卒業生です。
私が50年前に在学中は投てきの練習を見たことはありませんでした。
北口選手が旭川東高出身だと知りそれ以来やり投げを応援しています。
素晴らしい素質と努力で今の地位に辿り着いたことに敬意を表します。
旭川出身者として彼女の活躍は大変嬉しく、パリでも思う存分楽しんで欲しいと思います。『シマレガンバレ』!
感想
京都のトラックドライバーです
60代 男性
2024年7月24日
彼女の頑張りは 素晴らしい
私たちの娘も 日本一に色色な スポーツで なってます
何となく 運も有るので 力強く 頑張れ
感想
おやじ
50代 男性
2024年7月24日
練習で泣いた者だけが試合で笑える
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